ユアマイスター株式会社エンジニアブログ

ユアマイスター株式会社のエンジニアが日々徒然。

ファン・ダン・ラーン(Fun/Done/Learn)ふりかえり、はじめました&少しカスタマイズしました

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先月からユアマイスターでは振り返りにファン・ダン・ラーンの手法を取り入れることにしました。

運用しながら感じたことを雑記としてブログに残しておきます。

これまで

定期的な振り返りをするだけの時間というのはとっておらず、

  • 月次の締め会での総合的な振り返り
  • 隔週1on1による個人レベルの振り返り

というのが基本になっていました。

ただそれだけではなかなか中間の「チームとしての振り返り」がなされておらず、開発効率の向上であったり、仲間の間のコミュニケーションの質を上げたり、チームプレーを強めるアクションが取れていないと感じていました。

たとえ、振り返りの時間をとってみても

  • 振り返りをする時間をしても「できなかったこと」にばかり目が向いてネガティブな印象になりがち
  • 振り返りをしても具体性のない抽象的な考察で中断してしまいネクストアクションにつながらないことが多い

というものを感じていました。

それがよく現れているのは、各自の1週間ごとのコメントです。 なんでできなかったのだろう、と反省はしているのですが、それ以上に各自のレベルにあわせたワクワクする自分が書かれていない、という状態でした。

毎週、週報に書かれる所感も振り返りをしっぱなしでネクストアクションを定義して、改善を積み重ねていくようなマインドが薄れていることに危機感を感じていました。

f:id:yourmystar_engineer:20190209135105j:plain 本題とは関係ないですが、カンバンに使っている、レビュワーがひと目でわかるように作ったマグネットがお気に入りです。ちなみに動物シールはプレスリリースありの大型露出案件。

どげんかせんといかん

どんなに些細なタスクでも、学びや改善点があるはずです。前回より早く品質を上げてアウトプットすることに成長を感じ、どんどん難しいこと(できないこと)にチャレンジしていけるような精神性を持っていたい。

この状況を打開するためにどうしたらいいかを考えました。

以前、アジャイルソフトウェア開発宣言では「プロセスやツールよりも個人と対話を」と対象の相手ととにかく話すことが正解だということを学びました。

1on1の中でみんなが感じている課題感を聞いてみようと思い話題を振ってみると、、、思いのほか皆がチームのことを考えていたのです。

  • どうしたらレビュワー、レビュイーの手戻りをなくして、かつ、品質を上げられるようになるだろうか
  • 直接業務に関係ない技術的もチームで取り組めるようになりたい
  • プロダクトの成長に最短で貢献するにはどんな役割分担が適切なんだろうか

何回かみんなと対話を繰り返していく中で、各自が普段の開発で少しずつ感じている課題要素を、全員が揃ったところで出し合える場を作らねば、変化は起きないだろうと強く感じました。

ファン、ダン、ラーンを見つけた

最初のきっかけは確か、こちらの記事を見かけておもしろそうな手法だなと印象に残ったことです。

面白いと思ったポイントは、振り返りの切り口として楽しさ(FUN)が含まれていることでした。

基本的に、個人でふりかえりを行ったときに頭の中に思い浮かびやすいもの、それは不安なことです。

  • このやり方で本当にあってたのだろうか(方法の不確実性)
  • これはなんのためにやってたのだろうか(目的の不確実性)

そんな気持ちになって、できなかったことや自信がないことを掘り下げて、次の改善アクションを導き出そうとします。できないことをできるようにするというわかりやすい成長像がありますが、実際は気持ちが落ち込んだり解決策を考える前に目を背けてしまったりして、なかなかうまくいかないと感じています。

他者を含めたふりかえりでは、仲間が自分よりも経験を持っていたり、方法論の知識を持っていたりする可能性があるため、ネガティブな感情が邪魔することなく、本質的な改善アクションに目を向けられるのがメリットだと感じていました。(ただし、チーム内の心理的安全性が保たれた状態にないと、複数名でのふりかえりは、個人でのふりかえりよりも辛い場になりえます。)

この感覚をさらに強めてくれそうなポジティブな響き...楽しさ(FUN)。楽観的に事象を捉えるという意味ではなくて、エンジニアひとりひとりが楽しいと思ったことを軸にふりかえりのコメントを話し始められると想像したときに、先述の課題感を拭えるのではないかと感じたのでチームのふりかえりに取り入れてみました。

どうなったか

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ぼくがチームにファン・ダン・ラーンを導入する際には、本当に簡単な説明しかしませんでした。その結果、チームの仲間たちが「ファンってなんだっっけ?」「こういうときはダンでいいんですかね?」とファン・ダン・ラーンの定義を確認しあいながら自分たちの答えを出していきました。

ひととおり付箋を貼り終わったあとにコメントしていく段階でも、自分が貼ったものがどこにいったか探しながら話したり、他の仲間のコメントにQAする余裕があまりない感じでした。

ふりかえりMTGの最後に、「ふりかえりのふりかえり」を行って、ファン・ダン・ラーンを導入した簡単な経緯や次回ファン・ダン・ラーンの改善ポイントを話し合いました。取り組み自体への賛同はもらえ、「次回はファン・ラーンを増やそう!」という目標も立てつつ終えることができ、ふりかえりMTGの空気感がいつもと違ったことを肌で感じました。

ユアマイスター流にカスタマイズ

普段カンバンで付箋に書いて動かしていたタスクについて、ファン・ダン・ラーンを考えることが多いと予測したため、毎スプリントのDONEにあった付箋をそのままファン・ダン・ラーンのどこかに置くという「合体」を試みました。

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また、ふりかえりMTGでは、この付箋紙に加えて、開発タスク以外のことや個人的なことでも付箋紙を書き加えファン・ダン・ラーンに貼ることで、コメントのきっかけを持てるようにしています。

発表者のコメントを終えた後、まわりからQAできる時間を設けています。そこで、仲間から

「◯◯という付箋について、XXXXXということは学びはあったんじゃないかな?」 「△△してたとき、Aさん、すごく楽しそうにしていたけどファンではないかな?」 というような声をかけていきます。

これは、首もげ本*1エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング』で紹介されている、おすすめのふりかえりの流れの一部である「よかった探し」と重なります。多くの人がなかなか「よかったこと」を客観的に話すことが難しいところをサポートすることで、MTGの雰囲気を明るいものにしたり活発に議論ができるような場づくりに必須な声がけなので続けていきます。

やってみて感じた課題感

写真にもあるように、どうしてもダンに固まりがちで、ファン・ラーンに付箋を貼るのは一部、というような状況になってしまうところが改善ポイントかなと思っています。

事実、日常の開発業務を進めていく中で「学びになったな...」「た、楽しい...」と呟いてる場面はもっとたくさんあるんです。金曜日に振り返ろうとしているときにそれを忘れているだけ。そこを解決するために、仲間が積極的に声がけをして週の最中でも付箋にメモを残してしまうとか、Slackのチャンネルにコメントを残しておくとか、「忘れない工夫」をサポートしていきたいと思います。

また、本場のファン・ダン・ラーンでは、スプリントを総括した個人の感想をマーキングするふりかえりもやっているようなので、その取り組みも採用していきたいと思っています。個別のタスクでは語れなくても、ばくっと一週間なら語れることもありますしね。

以上、ユアマイスターのふりかえりMTGでの取り組みの紹介でした。

まだまだ一ヶ月程度の取り組みではありますが、今後も進化させて個人の成長とチームの成長を促進できるような方法をとっていきます。